ゴルフプレー中に、木の根元や茂み、バンカーのアゴなど「打てない」と感じる状況に遭遇したことがありませんか?
そんなピンチを救うのが「アンプレヤブル」というルールです。
このルールを知らないと大叩きの原因になりますが、上手に活用すればスコアメイクの強力な武器になります。
プレーヤー自身が判断できる救済措置であり、コース上の一部を除いた場所で適用できます。
本記事は初心者ゴルファーが役立つアンプレヤブルの基本から実践的な活用術まで解説しました。
- アンプレヤブルの基本を解説
- アンプレヤブルの救済処置3つの選択肢
- バンカー内でのアンプレヤブル特別ルール
- 場面別アンプレヤブルの活用法と実践ポイント
アンプレヤブルの基本を解説

ゴルフコースでボールが打てない状況に遭遇したとき「アンプレヤブル」というルールが存在します。
このルールはプレーヤー自身の判断で適用できる唯一の救済措置です。
木の根元や茂みなど困難な状況から抜け出す手段でしょう。
初心者ゴルファーにとって、1打のペナルティは課されますが、大叩きを避け効率的にスコアをまとめる戦略かもしれません。
アンプレヤブルの適用条件
アンプレヤブルの特徴は、プレーヤー自身の判断で適用できる点です。
ルールブックでは「プレーヤーの球がコース上のどこにあっても、プレーヤーはその球をアンプレヤブルと宣言することができる」と明記されています。
木の根元にボールが挟まった場合、ブッシュの中で適切なスタンスが取れない状況、岩場でクラブを傷つける恐れがある時など、さまざまな場面で活用できます。
ただし唯一の例外として、ペナルティエリア内では適用できません。
この救済措置はプレーヤーの一存で宣言が可能です。
自分の判断でプレー続行が困難と感じたら、遠慮なくアンプレヤブルを宣言しましょう。
2019年1月1日のルール改正から、以下の代わりに「ペナルティエリア」の名称に変更
- ウォーターハザード
- ラテラルウォーターハザード
この規則19.1には、「プレーヤーは、規則19.2や規則19.3に基づいて罰ありの救済を受けることにより自分の球をアンプレヤブルとして扱うことを決定できる唯一の人である。アンプレヤブルの球の救済は、ペナルティーエリアを除き、コース上のどこででも認められる」
引用元:公式ゴルフ規則の「規則19」
アンプレヤブルが適用できない状況
アンプレヤブルが勝手のいい救済措置に思えますが、適用できないケースがあります。
最も代表的なのは、ペナルティエリア内のボールで、この場合はペナルティエリアの救済ルールを適用する必要があります。
OB(アウトオブバウンズ)に打ち込んだ場合も、アンプレヤブルは適用できません。
OBの場合は、必ず「ストロークと距離の救済」(前の打点から1打罰で再プレー)となります。
グリーン上でのアンプレヤブル宣言は可能ですが、通常はボールを拾い上げて、元の位置に戻すペナルティの方が有利なため実用的ではないように思います。
動かせない障害物(カート道路、スプリンクラーなど)の近くでは、無罰の救済が適用できる場合があるため、アンプレヤブルを宣言する前に確認しましょう。
アンプレヤブルとペナルティの関係
アンプレヤブルを宣言すると、原則として1打のペナルティが課されます。
ペナルティは、プレーヤーが不当に有利にならないための公平なルールです。
例えば、ティーショット後に「もっと良い位置から打ちたい」という理由だけでアンプレヤブルを宣言することはできます。
しかし1打のペナルティを受けて、価値があるかを慎重に判断する必要があるでしょう。
2019年のルール改正により、バンカー内から後方線上でバンカー外に救済を受ける場合は、2打のペナルティとなりました。(後述で解説)
アンプレヤブルのペナルティを受けても、大叩きを避けられる場合や次のショットの難易度が大幅に下がる場合は、積極的に活用するのも一つの手段です。
アンプレヤブルの救済処置3つの選択肢

アンプレヤブルを宣言したとき、ゴルファーには3つの救済処置が与えられます。
状況に合わせて最適な選択をすることがスコアメイクのポイントです。
「ストロークと距離の救済」は安全策として「後方線上の救済」は障害物を大きく避けたいとき「ラテラル救済」は現地点から大きく離れたくないときに有効です。
これら3つの救済処置を理解し、コース状況や次のショットの戦略を考えた判断ができれば、1打のペナルティを支払う価値があります。
自分のプレースタイルに合った救済方法を選ぶことで、ピンチをチャンスに変えるかもしれません。
①ストロークと距離の救済(前の地点からのプレー)
ストロークと距離の救済は、シンプルなアンプレヤブルの選択肢です。
直前にボールを打った場所に戻り、1打のペナルティを加えて再プレーします。
ティーショットの場合はティーイングエリア内の好きな場所からプレーでき、フェアウェイやラフの場合は前回のショット地点の近くにボールをドロップします。
この方法のメリットは、一度プレーした場所から同じ条件で再プレーできます。
ほかの救済方法では状況が改善されない場合や、前回のショットの成功率が高い場合に適しています。
ただし、プレー地点まで戻る必要があり時間がかかるため、暫定球を打っておくのがベストでしょう。
元々のショットが良くなかった場合は、同じミスを繰り返すリスクもあるため、状況を見極めて選択すべきです。

②後方線上の救済(ホールとボールを結ぶ直線上)
後方線上の救済は、現在のボール位置とホールを結んだ直線上の後方であれば、距離に関係なく救済を受けられる方法です。
実際の手順としては、ボールとホールを結ぶ直線をイメージし、その延長線上で好きな距離だけ後方に下がれます。
後方線上の救済のメリットは、障害物から完全に回避するまで後方に下がれます。
障害物である林や深いラフなど、厳しい状況を避けれます。
正確な直線を取るには、ホールの方向に目印を設定します。
後方に下がるほど、ホールまでの距離が長くなる点と直線上にほかの障害物がある場合は、別の選択肢を考えます。

③ラテラル救済(2クラブレングス以内)
ラテラル救済は、元のボール位置から2クラブレングス以内で、ホールに近づかない場所にボールをドロップする方法です。
この救済は、今の位置からボール位置を移動したくない場合や、後方線上に別の障害物がある場合に有効でしょう。
計測には、通常最も長いクラブ(ドライバー)を使用し、ボールの横方向に2本分の距離を測ります。
「ホールに近づかない」という条件は、元のボール位置とホールの距離よりも近づかない位置を意味します。
実際の場面は、木の根元や岩の近くにボールがある場合、その障害物から少しだけ離れて進行方向を変えずにプレーを続けたいときに最適でしょう。
ただし、2クラブレングス以内しかボールを移動できないため、大きな障害物の場合は完全に回避できません。
状況に応じて、ほかの救済方法と比較してベストな救済方法を選ぶべきです。
バンカー内でのアンプレヤブル特別ルール

バンカー内でボールが難しい状況にある場合、一般的なアンプレヤブルとは異なる特別ルールがあります。
アゴに食い込んだり、深い足跡に埋まったりした場合、正しい救済選択が大切です。
2019年のルール改正では、バンカー外に出す新ルールも追加されました。
バンカーが苦手な初心者ゴルファーにとって、バンカー内でのアンプレヤブルの救済方法を知ることで、非常時の武器となるでしょう。
バンカー内での3つの救済方法
バンカー内でアンプレヤブルを宣言した場合でも、基本的な3つの救済方法は適用できます。
バンカー内でのアンプレヤブルは、いくつかの制限があります。
「ストロークと距離の救済」では、前回のショットを打った場所に戻りますが、バンカーショットの失敗後は元の場所がバンカー外であることが多いため、バンカーから脱出できるメリットがあります。
「後方線上の救済」を選んだ場合、ホールとボールを結ぶ直線上であっても、必ずバンカー内にボールをドロップしなければなりません。
「ラテラル救済」も同様に、2クラブレングス以内でホールに近づかない位置であっても、バンカー内での救済となります。
バンカー内でドロップする際は、砂の状態を整えることなく、膝の高さからボールを落とします。
バンカーの壁面近くでは、ドロップ後にボールが転がって不利な位置に転がる可能性もあるため、慎重にドロップ位置を選ぶことが重要です。
上記の選択肢は、バンカー内での救済を求めて1打のペナルティで済ませたい場合に適しているでしょう。
バンカー外に出す特別ルール(2打ペナルティ)の解説
2019年のゴルフルール改正で、バンカー内でのアンプレヤブルに4つ目の選択肢が追加されました。
4つ目の救済は、2打のペナルティを受け入れる代わりに、ホールとボールを結ぶ直線上のバンカーの外側からプレーできる救済です。
この新ルールは、特にバンカーショットが苦手なゴルファーや、バンカーの状態が極めて厳しい状況の救世主となります。
手順としては、現在のボール位置とホールを結ぶ直線を後方に延長し、その直線上でバンカーの外側であればどこにでもボールをドロップできます。
追加の1打罰のペナルティは大きいように感じますが、バンカーから確実に脱出できることで大叩きを防げる場合があります。
プロゴルファーでも、特に難しいバンカーやトーナメントの重要な局面では、この選択肢を活用する場面が見られます。
アマチュアゴルファーの場合、バンカーの腕前とスコア状況を冷静に判断し、2打のペナルティを払っても確実にバンカーから脱出するほうが得策の場合があるでしょう。
バンカー内アンプレヤブルの具体的事例
バンカー内でアンプレヤブルが必要になる典型的な状況は、いくつかのパターンがあります。
最も多いのはバンカーのアゴ(縁の高い部分)にボールが埋まっているケースでしょう。
この場合はほぼ真上にしかボールが上がらなく、バンカー内に戻る可能性が高いため、アンプレヤブルの宣言が賢明です。
雨後などでバンカー内に水たまりができている場面でしょう。
水の中のボールは「異常なコース状態」として、無罰の救済を受けられます。
しかし水たまりの近くで打ちにくい場合は、アンプレヤブルの選択肢を考えましょう。
深い足跡にボールが埋まっている場合も、公式なゴルフではあるがままの状態から打たなければならず、アンプレヤブルが有効な選択肢かもしれません。
バンカーショットに自信がない初心者ゴルファーは、2打罰を受けてもバンカー外に出して、スコアが崩れることを防ぐ戦略を覚えておきましょう。
状況を冷静に判断し、自分の技術レベルに合った最適な救済方法を選ぶことがスコアメイクのポイントです。
場面別アンプレヤブルの活用法と実践ポイント

ゴルフコースでは、さまざまな困難な状況に遭遇します。
林や茂み、岩場、時にはフェアウェイでも戦略的にアンプレヤブルを活用する場面があります。
状況を見極め、適した救済方法を選ぶことがスコアメイクのポイントです。
ここでは実際のプレー中に遭遇する場面別の対処法と、各状況での実践ポイントを紹介します。
林や茂みにボールが入った場合の対処法
林や茂みにボールが入った場合、冷静にボールを探しましょう。
ボールを発見したら、そのまま打てる状態なのか判断します。
スタンスが取れないか、スイング中にクラブが障害物に当たる可能性が高い場合は、アンプレヤブルを宣言するのが賢明です。
林からの脱出の難易度によって選択する救済方法が変わりますが、多くの場合は「後方線上の救済」が有効でしょう。
十分に後方に下がることで林から完全に脱出し、フェアウェイからの次のショットが可能です。
安全面を考慮し、無理にプレーして怪我やクラブの破損リスクがある場合は、迷わずアンプレヤブルを選択しましょう。
障害物の近くでプレーできない場合
ゴルフコース上の障害物には「自然の障害物」と「人工的な障害物」があり、対処法が異なります。
カート道路やスプリンクラーなどの人工物は「動かせない障害物」として無罰の救済が受けられます。
一方、自然の岩や石の場合は、アンプレヤブルを宣言する必要があります。
クラブを傷つけるリスクがある場合や、安全なスイングができない状況では、1打のペナルティよりもクラブの保護や安全を優先すべきでしょう。
岩の近くでは「ラテラル救済」が有効な場合があり、2クラブレングス以内の安全な場所からプレーを続けられます。
常に安全第一の判断を心がけましょう。
フェアウェイでのアンプレヤブルの戦略的な活用
アンプレヤブルは困難な状況だけでなく、戦略的な目的でも活用できます。
例えば、フェアウェイに良い位置にボールがあっても、次のショットの角度が悪い、木や池などの障害物が視界を遮っている、風向きが不利であるなどの理由で、アンプレヤブルが有効な場合があります。
1打のペナルティと引き換えに、より有利な位置からプレーすることでスコアメイクができます。
特にコース管理が行き届いていないラフやフェアウェイのディボット(芝生の傷)にボールがある場合、アンプレヤブルの活用を考えましょう。
スコアメイクに役立つアンプレヤブル活用術
アンプレヤブルを上手に活用することは「大たたき」を防ぎ、スコアメイクに役立ちます。
1打のペナルティは痛いですが、それによってビックイニングである2〜3打以上の大失敗を防げるなら御の字でしょう。
このリスク判断には、自分の技術レベル、コースの難易度、その日の調子などを考えます。
メンタル面では「1打損してもその後につなげる」という前向きな考え方が大切です。
まとめ
ゴルフのアンプレヤブルは、ボールが打てない状況を救済する重要なルールです。
プレーヤー自身の判断で適用でき、3つの救済処置から選べます。
1打のペナルティはかかりますが、大叩きを防ぐ有効な手段となります。
バンカー内では特別ルールがあり、林や障害物の近くでの適用方法も状況によって異なります。
このルールを理解して活用すれば、効率的なスコアメイクが可能になるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。