「体で振れって言われるけど、手も使うでしょ?」 「ボディーターンとリストターン、結局どっちがいいの?」
ゴルフを始めると必ず直面するこの悩み。
多くの情報がありすぎて「スイング迷子」になっていませんか?
この記事では、これからスイングを作る初心者の方に向けて「まずはボディーターン(体の回転)を8割意識すべき」という結論をお伝えします。
確かに手先で振るほうが最初は簡単にボールに当たります。
しかし、長い目で見ると「体の回転」を土台にしたほうが、圧倒的に悩みが少なくて済みます。
この記事を読むとわかること:
- ボディーターンとリストターンの決定的な違い
- 手打ちを続けると将来どうなるか(メリット・デメリット)
- 100切りを目指すための具体的な練習ドリル
この記事を読めば、なぜボディーターンが必要なのか、そして将来どんな違いが出るのかがハッキリ分かります。
ボディーターンとリストターンの違いとは?役割とメリットを解説
スイングの役割分担
初心者の理想比率1 ボディーターン
体の回転 = スイングのエンジン
- 腹筋・背筋・足を使う
- 方向性の安定・再現性
2 リストターン
手首の返し = 加速装置
- クラブヘッドを走らせる
- 最後のひと押しで飛距離UP
「ボディーターン」と「リストターン」の言葉は似ていますが、スイングにおける役割はまったく違います。
混乱しないように、まずはそれぞれの役割を整理してみましょう。
①ボディーターン(体の回転)
ボディーターンとは、腹筋や背筋、足といった大きな筋肉を使って体を回す動きのことです。
スイングの「エンジン」となる土台の役割を果たします。
ボールの方向性を安定させたり、毎回同じスイングをするための再現性を高めたりするために不可欠な要素です。
- 役割: スイングの土台、方向性の安定、再現性(毎回同じ動きをすること)
- 動き: 腹筋や背筋、足を使って体を回す動き。
- イメージ: 「エンジンの役割」
②リストターン(手首の返し)
リストターンとは、手首や腕を回転させてクラブヘッドを走らせる動きのことです。
スイングの最後のひと押しとしてヘッドスピードを上げ、飛距離を伸ばす効果があります。
- 役割: 最後のひと押し、ヘッドスピード(飛距離)のアップ
- 動き: 手首や腕を回転させてクラブヘッドを走らせる動き。
- イメージ: 「ヘッドスピードを加速させる役割」
ゴルフ初心者の理想比率はボディーターン8割:リストターン2割
結論から言うと、ボディーターン8割とリストターン2割の比率は、スイングの安定性を最優先するためのバランスです。
初心者のうちは「手を使わないと打てない」と感じがちですが、実際には体の回転(8割)でクラブを運び、残り(2割)の自然な手首の動きでボールをとらえるのが理想です。
まずは「8割のボディーターン」でスイングの土台を固めることに集中しましょう。
⚠️ ここで勘違い注意!「リストターン=悪」ではない
以下の内容で一番伝えたいのは「ボディーターンを土台にする」ということです。
決して「リストターンを全く使わない(ゼロにする)」という意味ではありません。
- × 誤解: 手首をガチガチに固めて、ロボットのように体だけで振る
- ○ 正解: 体を回す勢い(遠心力)で、結果的に手首が自然に使われる状態
ゴルフ初心者が自ら「手首を返そう」と操作するとミスになりますが、スイングにおいて手首の動き自体は不可欠です。
「使わない」のではなく、「土台ができれば勝手に使われる」ものだと理解してください。
あくまで優先順位は「体が先」です。
【重要】今の選択が未来を決める!「10の悩み」比較

大切なポイントは「体を回して打つ」のと「手を使って打つ」のでは、上達した後にぶつかる壁がまったく違うことです。
私は断然、ボディーターン中心のスイング作りをおすすめします。
その理由を、将来起こりうる悩みリストで比較してみましょう。
①「ボディーターン」中心で覚えた人が直面する10の悩み
最初は大変ですが、以下の内容は上達の過程でクリアできる課題です。
- 最初はボールが捕まらず、右に飛びやすい(スライス)
体が先行しすぎて、クラブが遅れやすい - 飛距離が出るまで少し時間がかかる
手でパチンと弾くわけではないので、コツをつかむまで飛ばない時期がある - 体が硬いとキツく感じる
柔軟性が必要なため、ストレッチなどのケアが必要になる - タイミングが合うまで「振り遅れ」が起きる
体と腕の同調(シンクロ)が最初は難しく感じます - 厚着(冬のゴルフ)で回りにくくなる
着込むと体の回転が制限されやすく、冬場に少し調子を崩しやすい - 地味な練習が必要になる
ハーフスイングなどの反復練習が必要で、飽きやすい - 「本当にこれでいいの?」と不安になる
手を使っている感覚が少ないため、手応えを感じにくい - 傾斜地(つま先上がり・下がり)でバランスを崩しやすい
足場が悪い場所でも、しっかり下半身を使う技術が求められる - リズムが狂うと打てなくなる
腕力で誤魔化せないので、自分のリズム(テンポ)が重要になる - フィニッシュまで振り切る体力が必要
手打ちよりも全身運動になるため、練習後は良い意味で疲れる(球数を多く打てません)
②「リストターン(手打ち)」中心で覚えた人が直面する10の悩み
「ボディーターン」より楽にボールを打てるようになりますが、ゴルフを続けていくとスコアを崩す以下のような深刻なエラーが発生します。
- 日によってスコアが激変する(スコアが安定しない)
手先の感覚はその日の体調や緊張で狂いやすいため、「昨日は良かったのに…」が頻発します - プレッシャーがかかるとボールが曲がる
緊張で腕が硬くなると、途端にコントロールを失う - 「チーピン(急激な左曲がり)」が出始める
ある程度打てるようになった頃、手首を返しすぎて左へのミスが止まらなくなる - すくい打ち(ボールを上げようとする動き)が直らない
手でボールを拾おうとして、トップやダフリの原因になる - 「チキンウィング(左肘が引ける)」になる
体の回転が止まって手だけで振るため、フォロースルーで左肘が不格好に曲がる - 飛距離の限界が早く来る
腕力には限界があるため、体の大きな筋肉を使わないと飛ばなくなる - 手首や肘を痛めやすい
衝撃を手先だけで受け止めるため、腱鞘炎やテニス肘のリスクが高まる - ラフ(芝が長い場所)に負ける
芝の抵抗に打ち勝つには、体の重さを使った回転力が必要です - スイング軌道が毎回変わる
手は器用なので毎回違う通り道を通ってしまい、再現性がなくなる - 一度調子を崩すと、泥沼にはまる(イップスなど)
どうやって打っていたか分からなくなり、スランプが長引く傾向があります(スイング迷子になる)
【実体験】私がリストターン指導で遠回りした過去

ここまでボディーターンを推奨するのには、私自身の苦い経験があります。
実は、私が最初に教わったプロからは「リストターンの要素が強くなる練習」を指導されました。
「ゴムの棒を手首を返して、とにかく早く振る」という練習です。
今思えば宗教のように思えるのですが、当時は練習の意味も説明されないまま、3ヶ月間言われるがままにその練習を続けました。
確かに最初は、手で操作するのでゴルフボールが真っ直ぐ飛んでいく「楽しさ」があります。
しかし、後々本当に苦労することになったのです。
その後、別のプロに教わることになった際、染み付いた手打ち癖をボディーターンに直すまで、かなりの時間がかかりました。
一度ついた「楽な打ち方」の癖を抜くのは本当に大変です。
これからゴルフを始める方や、現在スイングに悩んでいる方は、私のようにならないためにも、少しずつ「ボディーターン」の要素を加え、「長期的な安定性」を求めてみてはいかがでしょうか?
結論:苦労してでも「ボディーターン」を選ぶべき理由

比較して分かる通り、リストターン(手打ち)中心のスイングは、「緊張した場面」や「上達した後」に大きな壁にぶつかります。
実際に私もチーピン(打った瞬間に急激に左へ曲がる深刻なミス)持ちで、ティーショットの次の2打目を隣のコースから打つことが頻繁にありました。
しかし、ボディーターン主体のスイングになり、リストターンの動きが抑えられたら、あんなに怖かったチーピンのイメージがなくなります。
一方、ボディーターンの悩みは「体が硬い」「タイミングが難しい」といった練習で克服できるものばかりです。
初心者のうちは、ボールが右に行ったり、空振りしたりしても構いません。
「体を使って振る」という土台さえあれば、後からいくらでも修正が効きます。
ゴルフ初心者向け!ボディーターンを習得する練習法・ドリル3選
ボディーターンを習得するには「じゃあ、どうやって体を回すの?」という方へ、プロから教わった基本ドリルを3つ紹介します。
①おへそドリル(スイングの同調性を高める)

体と腕がバラバラに動かないようにする練習です。
- やり方: グリップエンド(クラブの握る部分の端)をおへそに当てて、クラブを短く持ちます
- 意識: おへそとクラブがずっと一緒の方向を向くように、小さく左右に振ります
- 効果: 手だけでヒョイと上げる「手打ち」ができなくなり、体幹で回す感覚が分かります
②タオルはさみドリル(「脇の緩み」防止)

多くのプロゴルファーも練習に取り入れる王道です。
- やり方: 両脇にタオルを挟んで、落とさないようにハーフスイング(腰から腰の高さ)でボールを打ちます
- 注意: タオルが落ちる=腕だけでクラブを上げている証拠です
- 効果: 体と腕が一体化(リンク)し、スイング軌道が安定します
③ハーフスイング(上達の最短ルート)

フルスイングは一旦封印します。
ハーフスイングも調子を崩した時に取り入れるので王道の練習になります。
- やり方: 振り幅を「時計の9時〜3時(腰の高さ)」に限定して打ちます
- ポイント: 打った後、おへそがしっかり目標方向を向いているか確認して3秒止まります
- 効果: スイングに必要な「軸」「インパクト」「フェースの向き」がすべて身につきます
まとめ
- 初心者は迷わず「ボディーターン8割」を目指す
- リストターン(手首の動き)は、意識しなくても遠心力で勝手に起こるもの
- 手打ちのほうが最初は楽だが、後で「チーピン」や「プレッシャーへの弱さ」に悩むことになる
- 「おへそドリル」や「ハーフスイング」で、地味だけど確実な土台を作る
ゴルフは「感覚」を覚えるスポーツです。
最初は違和感があるかもしれませんが、体の回転でボールをとらえる感覚(重いものを運ぶような感覚)が分かってくれば、あなたのスイングは劇的に安定します。
目先のナイスショットよりも、1年後、3年後に「綺麗なスイングだね」と言われる自分を目指して、まずは体を回すことから始めましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

